LIBERTEーー君に
ビアンカは呟きながら、頭に浮かんだ動画のテロップをメモした。

詩月は「ショパンは苦手だ、嫌いだ」と言いながら、ショパンをこんなはにも情感豊かに演奏するじゃないかと思った。

ビアンカは詩月の熱い思いが伝わって、胸が痛かった。

「動画のタイトルは『LIBERTE  君に』だね、詩月」

ビアンカがスケッチブックに走り書きした文字をサッとピアノのスタンドに置いた。

詩月は大きく頷いた。

「そうだ。『LIBERTE  君に』……誰よりも緒方と演奏したいんだ。この曲、ショパンの『雨だれ』を緒方に聞かせたいんだ。他の誰でもない。緒方とショパンの『雨だれ』を演奏したいんだ」

詩月はひとしきり声に出したかと思うと、演奏を再開した。

ショパンの「雨だれ」が優しくBALに響き渡った。



Fin.
< 258 / 258 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:3

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

金木犀のアリア
竹久祐/著

総文字数/83,743

青春・友情235ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
作品名【金木犀のアリア】 .:*゜..:。:.::.*゜:.。:..:*゜ カフェ「モルダウ」に現れる白い猫 猫は電車に乗り、様々な場所で目撃されている 神出鬼没の白い猫 猫はチャイコフスキーを聴きにくる…… リリィとアランの思いを抱いて 時をこえた愛は奏でられる 【金木犀のアリア】完結 .:*゜..:。:.::.*゜:.。:..:*゜ 詩月、高校3年の秋。 チャイコフスキー作ヴァイオリン曲 「懐かしい土地の思い出」 ほのかに金木犀が香ってくる。 甘く優しい香り ヴァイオリンの音が 切なく悲しく、心に響く すっと、背筋を伸ばしヴァイオリンを弾き始めた詩月 カフェ・モルダウ リリィの愛した曲が奏でられる 【金木犀のアリア】 .:*゜..:。:.::.*゜:.。:..:*゜ ※感想ありがとうございます *熊川なおたか 様 *囲 章文 様 *氷月あや 様 *叶 遥斗 様 *黒猫○ルビー 様 ※レビューありがとうございます *囲 章文 様 *叶 遥斗 様 *黒猫○ルビー 様 *bi‐ko☆/ 様 ★イメージポエムありがとうございます *囲 章文 さま
雨に似ている  (改訂版)
竹久祐/著

総文字数/56,225

青春・友情143ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
あの頃 僕はショパンが 大嫌いだった ショパンを弾くたび 自分の才能の無さや 自分の技量の限界を 思い知らされた 音を立て崩れていく自信 自分の存在価値さえも わからなくなっていた 『鯨魚取り 海や死にする 山や死にする死ぬれこそ  海は潮干て 山は枯れすれ』 万葉集の 無常を詠んだ歌 人の命は儚くて、 誰にも 気づいてもらえないような 僅かな雨雫のように 草木を潤すことさえ できないかもしれない けれど季節は巡り、 生きとし生ける全てに 雨は降り注ぐ ピアノの音が 切なくて悲しくて 空が泣いているのか 僕が泣いているのか わからない
風の詩ーー君に届け
竹久祐/著

総文字数/132,012

青春・友情372ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
作品名 【風の詩】 .:*゜..:。:.::.*゜:.。:..:*゜ 理久 「伝説って何だよ?」 詩月 「うちの学園にあるんだって」 郁子 「神話のオルフェウスに似てるのよ」 安坂 「裏門の像がね」 詩月 「BGMはJupiterなんだ」 郁子 「えっ、ロマンスなのに?」 理久 「いいんじゃないか?」 安坂 「万葉集の防人の歌を思い出すよね」 郁子 「ヴァイオリンロマンスでしょ!?」 .:*゜..:。:.::.*゜:.。:..:*゜ ◆周桜詩月(音大1年) Nフィル交響楽団、 新進ソロヴァイオリニスト .:*゜..:。:.::.*゜:.。:..:*゜ 【風の詩】 .:*゜..:。:.::.*゜:.。:..:*゜ .:*゜..:。:.::.*゜:.。:..:*゜ ★レビュー、ありがとうございます *藍里まめ 様 *aona 様 *愁檎 様 *熊川なおたか 様 *立花いずみ 様 *椎名ゆず 様 ★感想ありがとうございます *椎名ゆず 様 *楼音りる 様  *Piine 様 *藍里まめ 様 *aona 様 *愁檎 様 *熊川なおたか 様 *森小枝 様 .:*゜..:。:.::.*゜:.。:..:*゜ ★ポエムありがとうございます *aona様

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop