新米サンタさんの初仕事

クリスマスイヴの日、サンタスーツに着替えた私は、特殊な車に乗り込み、校区皆のクリスマスプレゼントをなんとか配り終えた。

クリスマスにサンタクロースからプレゼントを貰える子供は限られている。

サンタクロースを心から信じている子のみだ。

信じていないやつは、対象外なので、その人たちには配らない。

そんなこともあるため、私の校区はそんなに多くなかったのかも知れない。

翌朝、サンタクロースからプレゼントを貰った子どもたちは大喜びしていて、私もこれを見ると、サンタになって良かったなぁって改めて思った。

そして、クリスマス当日、私の大仕事が待っていた。

昼過ぎ、私は正装であるサンタスーツを着直し、篤人くんのうちを訪ねた。

私がインターホンを鳴らすと出てきてくれたのは、お父さんだった

「メリークリスマス」と一言私は言う。

「中、入ってください」と私は招き入れられ中に入れてもらった。

篤人くんも出てきた。

「メリークリスマス〜、本日は、プレゼントをお持ちしました」と私は旅行券を渡した。

「奥様、退院、おめでとうございます。篤人くん、いつも頑張ってますね、お父さんもお疲れ様でした。これはサンタからの贈り物です」と私は言った。

「ありがとうございます！」と奥様は喜んでくれた。

中身を確認した3人は更に驚きを見せた。

「ハワイ旅行？！」と3人は喜んだ。

なんでも、お父さんはクリスマスに旅行に行こうと奥様に話していたらしく、行き先はまだ内緒と奥様へ言わないでいてくれたのだ。

「ハワイなんて何年ぶり？すごく嬉しいわ」と奥様、とても喜んでいる。

そんな奥様を見て、篤人くんとお父さんは笑っていた。

幸せな家族な形のような気がして、改めて、サンタクロースという仕事につけたことを、誇りに感じた。

「準備はよろしいですか？すべては手配済みです。飛行機はプライベートジェットをご用意しております。その他全てのサポートは責任を持って、私が最後まで見守らせていただきます!楽しんで来てくださいね！」と、私は言い、車へと誘導した。

空飛ぶ車に乗り、空港までご案内した。

色々な手続きは終えている。後は楽しんでもらうだけだった。旅行で楽しむ必要最低限のお金はすでにお父さんに用意してもらってあり、空港でドルに、替えてもらった。

そして、３人は一週間のハワイ旅行へと旅立った。

私は幸せな時間となることを心から願った。