新米サンタさんの初仕事
1週間後、無事に3人は帰宅した。

楽しく過ごせたようで何より。

クリスマスは無事終わり、私達も少し楽になった。 

が、年末年始はやっぱり忙しかった。

「お年玉」という子どもたちにとっての一大イベントだから。

そんな忙しい時期もなんとか越えた年明け、

篤人くんからお手紙が届いた。

そこにはお礼と一緒に、3人で撮られた楽しそうな写真とお土産が添えられていた。

手紙には私のために、篤人くんが選んでくれたと書かれていた。

私はとても嬉しかった。

サンタクロースである私が、まさか、子供からプレゼントを貰うなんて。

私は早速写真を飾り、お土産のキーホルダーをスマホにつけていた。

私の初仕事はこれにて無事、終了した。

そして、毎日私はまた、クリスマスに向けて、奮闘する。

数年して、私にも後輩が出来た。

後輩からは、大事にしてるんですねとよく言われている、ハワイのお土産のキーホルダーを私はずっと大切につけていた。

あれから、十数年が経ち、篤人くんは立派な大人になったいた。

そんなある日、

私は一通のメールを目にした。

大人になった篤人くんから、両親に送るプレゼントの相談だった。

私は決めてあると送った。

遂に、このときが来た、篤人くんの当時の様子、わたしたちの当時の様子を動画したものだった。

私は篤人くんが両親に何か送りたいと言ってきたときは、これを送ろうと決めていた。

私はクリスマスの日に約束をした。

篤人くんの実家を尋ねることを。

篤人くんは、結婚し、子供が産まれていた。そして、今は3人で暮らしているとのことだったので、クリスマスに、実家に帰って来るように伝えた。

先輩もあのお方も喜んでくれていた。

そして、迎えるクリスマス

私は、久しぶりにクリスマススーツに袖を通した。

何年も、現場を離れ、着ることの無かったスーツに。

懐かしさを感じた。

私は深呼吸をし、篤人くんの実家を訪ねた。

迎えてくれたのは篤人くんだった

「メリークリスマス」と私は言い、中に入れてもらった。

私を見た両親はとても驚きながらも歓迎してくれた。

お父さんは奥様に話をしてくれていたみたいで、私のことを覚えていてくれた。

私は、篤人くんの奥様と、子供ちゃんに挨拶をしてから、

ご両親にプレゼントを渡した。

中身はDVDだ。

映像を確認するため、その場で見守らせてもらうことにした。

そこで私のスマホがなり、篤人くんは私のキーホルダーに気づいて、とても喜んでくれた。

最後まで見守るつもりだったが、先輩からの呼び出しで帰ることになってしまい、名残惜しみながら、篤人くんの家を後にした。

後で先輩には「スマンな。もっとゆっくりさせてやりたかったんだが、やっぱり忙しくてな」と謝られた。

そして、お詫びにと食事を奢ってもらった。

私がプレゼントしたDVDは篤人くん家族はとても喜んでくれたのをモニターで確認した。

私はそれを励みにこれからのサンタクロースとしての人生を頑張ろうと改めて決意した。

そして今日も、私はサンタクロースとして生き続けています。これからも

END
< 7 / 7 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

僕の彼女はハロウィンに秘め事をする

総文字数/1,396

恋愛(ラブコメ)2ページ

雨の日は貴方を想い出します

総文字数/11,110

恋愛(純愛)8ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
雨の日は好きですか? 私は貴方に出逢い、貴方を初めて意識した大切な想い出なので大好きです。 そんな2人が繰り広げるピュアなういらぶ。
弟の嘘告(エイプリルフール)計画

総文字数/4,148

恋愛(その他)4ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
姉の恋愛を守りたい、弟のエイプリルフールに考えた、嘘告が可愛すぎる。 まさか、お父さんの入れ知恵だったなんて。。

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop