あの花が咲く頃、君に会いにいく。
「冗談なんかじゃない。おまえらも見ただろう、人間業じゃないあの力を。あれは悪霊なんだよ。暴走した悪霊は人間でもお構いなしに襲ってくる。実際に悪霊に殺された事件だってこの世に何十件もあるんだ。それくらいあいつらは危ない」


「何それ…、信じられないよ…」


「でも、たしかにあんなの人間じゃない…」


「…霊感があるってやつ、本当だったの…?」


「ああ、本当だ」


「霊感!?てことは、藤原あいつなんとかやっつけてよ!さっきみたいなお札とかでさ!」


「無理だ。俺は弱い霊くらいしか倒せないし、さっきみたいに一時的に動きを封じるしかできない」


「じゃあどうすればいいのよ!このままここで死ねっていうの!?」


「あいつの力が弱まれば、ここから出られるかもしれない…。おまえらにも一枚ずつお札を渡しておくから、もしも投げれる奴がいたら協力して欲しい。俺が合図するから、そしたら一斉に…」


「そんなの無理だよ…。怖くてできない…」


「…私も。今立ってるだけで精一杯」



玲と七海は恐怖で顔が真っ青になっていた。体は寒いわけでもないのに震えている。



無理もない。悪霊に目の前で凛を殺されかけたんだ。


次は自分が、と思うと怖くて何もできない。私だって悪霊に襲われた時はもう死んでいるのに、死ぬかと思ったくらいだ。



「…わかった。俺一人でなんとかしてみる。だけどあいつがどこから現れるかわからないから、一応お札は持ってろ。それとバラバラに隠れておこう。あいつは必ずここに現れる。固まっていると一気に襲われるから、二人組ででもいいから、散らばれ」



玲と七海、茅乃と凛の二人組でそれぞれ別々に靴箱の後ろに散らばっていった。


私は一人の楓についていこうとしたが、今気まずい感じだったことを思い出し、茅乃の方についていく。
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