オタクな俺とリアルな彼女。
悪気は無かったんだけど…

俺に言っておいて寝不足だなんてってこと?

だからつまり……



「もしかして……先輩,照れてます?」

「なっ……ふざけるな! 私は…!」



先輩ははっと口をつぐんだ。

先輩の声に周りが反応したからだ。

じゃあ,ってことは。



「"リスナー"も"可愛い"も,"好き"も。もしかして……少しは喜んでくれてたんですか?」

「…………バカなことを言うな。薫,君が配信を見てくれていることには感謝しているが,そんな事実はない」



間が,長かったですね。

どうしよう,見抜かれる。



「…にやにやするな」

「好きです。あ,逆だ,すいません」



間違って溢れた言葉も,本気で取り下げることなんて出来ない。

ゆるゆると,頬がゆるんだ。

やばい,めっちゃ嬉しい。

めっちゃ可愛い。

好きな人に自分の存在を良いように捉えられているのは,すごく嬉しい。
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