クールな番犬くんは学園最強のオオカミでした

たとえば斑がほんとにただの用心棒だったなら、防犯ブザーを持ち歩いて身の危険を感じるたびに引っこ抜いていた。


それか、おじいちゃんに本気で用心棒の交換を頼んでる。


でも、わたしにとって斑は、ただの用心棒じゃない。


こんなに距離が近くても身の危険を感じないし、抱きしめられたら心臓が飛び出そうなほどドキドキする。


わたしにとって斑はそういう存在で。

だから今も、本気で拒否することができない。

ずっとこうして……



「苫、入るぞ」


いるわけにいかない!


いつもは部屋に近づく足音で人の気配を感じ取るのに、今は意識が斑に全集中していてかけ声を聞くまで気づかなかった。


“ダメ!”

──って叫ぶ間もなく、ドアは開かれた。


と同時に、ドシンッと落ちる音。


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