クールな番犬くんは学園最強のオオカミでした
「今日はよろしくお願いします!」
「楽しんでってな」
「はい!」
「にしても、黒刃の遠足っつーからどんなもんかと思えば……苫ちゃんのじいさんときより落ちついてんな。みんなおとなしい身なりじゃねーか」
ガハハ、と平野さんが豪快に笑う。
わたしは、あはは……と苦笑いをこぼした。
おとなしい……?
髪色やアクセサリーは置いといて、私服はけっこう自由度高めなんですが。
一応、動きやすい服を指定したんだけど……革ジャンやらミニスカやら、場にそぐわないオシャレをしてる人が多い。
……ヒールを履いてる子もいるし。
ふと、黒色のヒールブーツを履いている女の子と目が合った。
怪訝な表情を向けてくる。
「あの……なんですか?」
「ふんっ。能天気ね」
のう、てんき……?
よくわからないひと言を残して、彼女はスタスタと歩いていってしまった。