二度目の好きをもらえますか?
「……花織(かおり)

 賢ちゃんが動揺を隠せない様子で、彼女の名を呼んだ。

 隣りに立っているのに、私だけがそこから切り離されたみたい。

 私はふらつく足で後退り、彼らから距離をとった。

「何でこんなとこにいんだよ、花織、学校は?」

 言いながら、彼が抱きついた彼女を引き剥がす。

「……サボった」

「……なんで」

「賢二があたしの話、ちゃんと聞いてくれないからっ! 電話にも出ないし、ラインだってスルーするじゃん! だからっ」

 賢ちゃんが彼女を見たまま無言で小さく息をついた。そして瀬川くんと高山くんに視線を飛ばす。

「悪い。俺こいつの家まで送ってくから、今日は先帰るわ」

「了解」

 二人にそう断りを入れ、彼と彼女は並んで正門を抜ける。

「アレ。多分遠距離の彼女だよ」

 ……え。

 いつの間にか、私のそばに瀬川くんが立っていた。二人の様子を見て眉を寄せている。

「彼女って……。“元カノ”じゃないの?」

「元カノ?」

「うん。夏休み前に確か別れたはずだよ、振られたって賢ちゃん言ってたし」

「……うーん。その辺の事情は知らないけど。
 今の感じからすると、なんか色々と訳ありみたいだな。このところ頻繁に連絡もあったみたいだし」
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