二度目の好きをもらえますか?
 ーー「親には何て言って出て来たんだ?」

 ーー「親に止められなかったか?」

 今思えば、賢ちゃんはいつも私の両親の事を気に掛けていた。

 ーー「彩月の両親的にはさ。多分娘がバイクの後ろに乗るのって良い気しないと思うから」

 賢ちゃんの言った通りだった。

 いつか私の親に怒られるかもしれないと分かっていて、私の要望に応えてくれていた。

「……っうう、賢ちゃんっ」

 それなのに、私は何も気付かなかった。バイクに乗せないと言われても、彼女の特等席だから駄目なんだ、と勝手に思い込んでいた。

 ……ばかだ、私は。

 体をくの字に曲げて、頭から被った布団に涙を染み込ませた。ごめん、ごめんねと何度も繰り返して、彼の事を想った。

 賢ちゃんが好きで好きで、たまらない。

 賢ちゃんのそばにいたいよ……っ。

 ***
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