二度目の好きをもらえますか?
「今は無理でも、このさき一生って言うんじゃなくて……。あの、何とかなりませんか?」

 語尾が震えた。

 賢ちゃんからバイクを取らないで欲しい、と。図々しくもあり、無責任なお願いをしているのは、重々承知している。うちの両親には、絶対に聞かれたくない要望だ。

「そうねぇ」と呟き、おばさんはまつ毛を伏せた。コーヒーカップを机上に置き、ソーサーの上でカチャ、と音が鳴る。

「このさき……。二十代か三十代になって、賢二がまたバイクに乗りたくなるようなら……その時はおばさんたちも口出ししないでおこうって決めてるの」

「……」

 え。本当に?

「だからってわざわざ勧めるわけじゃないけど。賢二のやりたいように……させてあげるつもり」

「そう、ですか」

 ほぅ、と胸を撫で下ろした。頭の片隅にあった黒いモヤが晴れるようだった。

 私の安堵が伝わり、おばさんが「ふふっ」と肩を持ち上げて笑う。

「彩月ちゃん。賢二を大切に想ってくれて、ありがとうね?」

 目を細めて笑うおばさんの幸せそうな笑みが、私の心の奥深くに届き、じわりと染み込んでいく。
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