さよなら、坂道、流れ星
昴もバイトが忙しいのか、とくに何も言ってこない。
次に会ったら泣いてしまうかもしれない、怒ってしまうかもしれない。兎に角みっともなく引き留めない自信がないので、このまま会わずに終えた方が良いのかもしれない…などと弱気に考え始めた頃、昴からメッセージが届いた。

【明日の夜、流れ星見に行かない?】
意外な内容に少し戸惑う。
(流れ星?この前のはもう見れないんじゃない…?)
【また流星群あるの?】
そんな情報は千珠琉の耳には届いていない。
【違う】
よくわからないメッセージにさらに戸惑う。
【この前の流星群はもう終わったよ??】
“?”を浮かべたうさぎが首を傾《かし》げたスタンプを送る。
【まー俺に任せて。絶対流れ星見れるから。じゃ、明日(あした)夜な!】
“グッ”と親指を立てた宇宙人のスタンプと“またね”と書かれたUFOのスタンプが連続で送られてきた。
なんだかよくわからないうちに、昴のペースに飲まれるように会う約束をしてしまった。
(絶対見れる流れ星…?)
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