極上パイロットはあふれる激情で新妻を愛し貫く~お前のすべてが愛おしい~
無事に訓練が終了してコーパイとして乗務し始めたと耳にしたときは、早く会いたい気持ちが前面に出ていたけれど、いざこうして目の前にいると怖気づいてしまう。

私にとって岸本さんはあこがれの人でも、彼にとっては、大学時代に同じ自動車部に所属していたただの後輩でしかないのだし。


自動車部は、砂利の競技場でタイムを競うダートトライアルなどの競技に参加するのを目的としたサークルで、私は整備担当だった。

彼はその頃から運転の素質があったのか、整備だけでなくドライバーとしても優秀だったとか。

私が入学したときに岸本さんはすでに四年生。
部には時々顔を出すだけでほとんど活動はしておらず、私も会話を交わしたのは数回しかない。


そんな彼とようやく接近できるチャンスが巡(めぐ)ってきたのに、目の前を歩く彼はどんどん離れていってしまう。

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