極上パイロットはあふれる激情で新妻を愛し貫く~お前のすべてが愛おしい~
私をサポートするように動いていた池尻さんが、しびれを切らして交代した。

ダメだった……。

基本の作業すら合格をもらえないことに肩を落とす。


「よし、タイヤはこれで終了。夏目。丁寧な作業は重要だ。でも、今のペースでやっていたら、いつまでたっても飛べないぞ。一便遅れが出ると大変なことになるのはわかってるだろ?」

「はい、すみません」


もう謝罪の言葉しか出てこない。

故障が見つかれば、どれだけ出発が遅れようが、たとえ欠航になろうが修理するのが整備士の仕事。

けれども、自分の作業のせいで遅らせるわけには絶対にいかない。


「まあ、そんなに落ち込むな。皆、通る道だ。適当にやって、ボルトが緩いよりはずっといい」


悲壮感を漂わせていたからだろうか、池尻さんが励ましてくれる。


「いえ。おっしゃる通りです。もっと頑張ります」

< 20 / 52 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop