錆びきった鐘は
ぎゅっと、誰かに髪を押さえてない方の手を掴まれた。




「山原!」


「えっ、皆城くん?」




てっきり向こうにいるものだと思ってたからビックリだ。



「俺たち二人でさ、抜けだそーよ!」


「え、わっ」



引っ張られた手が、力強い。

家族以外とこんな風に手を繋いだのは、生まれて初めてだった。


鈍足の私と瞬足の皆城くんとじゃかなりの差があるけれど、それでも走ることが楽しくて、このままどこへでも行けそうだった。
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