身代わり婚のはずが冷徹御曹司は一途愛を注ぎ貫く
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「本当に、お互い幸せな結婚ができてよかった。ね、香波ちゃん」
入籍した花純と光汰さんが、私たちのマンションに遊びに来ている。ふたりは大きなソファにくっついて座り、私は少し距離を空けて花純の隣に座る。貴仁さんはひとり掛けの部分に腰かけた。
「そうだね。いろいろ心配かけてごめん」
「ふふ、香波ちゃんに心配させられるのは、いつものことだもん」
「え? 私?」
あまり身に覚えのないことを言われ、私は首をかしげた。心配していたのは、いつも私だったような。光汰さんは微笑んで聞いており、貴仁さんも私をじろりと見ている。
「危なっかしいのは花純でしょう?」
「よく言うよぉ。この間のストーカー騒動も、香波ちゃん全然気づいてなかったんでしょ? シーナ製紙でその社員が遠方の工場に飛ばされたって知らせが来たとき、私すぐわかったよ。ずっと香波ちゃんのこと見てた人だって」
「え? 気づいてたの!?」
天然で鈍感な花純が?