身代わり婚のはずが冷徹御曹司は一途愛を注ぎ貫く
「会社としても、これから柊さんのお力をお借りして、頑張っていきたいと思っています。……が」
柔らかい雰囲気の光汰さんは、瞳をギラリと光らせて貴仁さんを見据える。
「シーナ製紙は渡しませんので」
四人の間の空気が緊張する。私と花純は心配になり顔を見合わせたが、貴仁さんは微かに口角を上げ、フッと声を漏らした。
「望むところです」
柊和コーポレーションでは貴仁さんに歯向かえる者が誰もいない、そんな噂を裏付けるように、仕事中は淡々としている貴仁さん。彼のこんな爽やかな表情は初めて見た。
目の前で交わされた握手は、まぶしくて、晴れやかだった。
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