グリフォンの恋人・序章・エピソード0
私の髪はちみつ色、
瞳も、母の柔らかい琥珀の色を
受け継いだ。

私は、母から絵を描くこと、
父からは、神官としての教育を受けた。

絵の才能は・・

私は動物を描くことが楽しかったし、得意だった。

犬、猫、馬、鳥、うさぎ、
神殿にいる彼らも、私になついてくれ、モデルになってくれた。

神官の勉強は・・・
神殿の神官養成学校で、学ぶ機会を得た。

表向きは親子として振る舞えなくても、
時折、父が私にむかって、微笑むのがうれしかった。

良い成績を取ると、最高神官からメダルを授与される。

だから、勉強を頑張ったのだ。
卒業時には首席として、
最高神官から、表彰される名誉を賜った。

子ども時代の私の世界は、幸福で、愛に満ちていた。

母のアトリエに、週末になると父が訪ねて来た。

母は張り切って料理をつくり、
父は相変わらず、口数は少ない人だったが、ビオラを弾き、
時折、母と絵画の事、芸術について、話を長時間していたものだ。

その間、私は犬や猫をおっかけまわして、よく母から、怒られた。
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