銀色ネコの憂鬱
『………』

会話が終わり、間ができる。
「あ、えっと明日は…」

———グイッ

「きゃ」

離れたまま、また話し始めようとした菫の腕を蓮司が引き寄せた。

「往生際が悪い。」

蓮司が菫の耳元で囁くと、菫の顔は真っ赤になってしまう。
「もうすぐ離れ離れになっちゃうんだから、こういう時間は大事にしないと。」
蓮司は菫を後ろから抱きしめて首筋にキスをした。菫の鼓動が早くなる。
「新婚旅行、もっと時間とれたらよかったね。」
蓮司が言うと、菫は首を横に振った。
「じ、十分…です。旅行に来れただけで。」
「スミレちゃんがニューヨークに遊びにきたら、2回目の新婚旅行しよう。」
「2回目って…」
菫が小さく笑ったのを見ると、蓮司は菫を振り向かせてキスをした。


「あの金平糖屋さん行く?」
「うん!」
蓮司の提案に菫の目が輝く。

金平糖屋
「すご〜い!バナナ味だって。あ、バニラ味もある…!香澄ちゃんは桃かなぁ。パインは見た目がミモザっぽいから香魚(あゆ)さん?」
「スミレちゃん、新婚旅行は冷やかされるから誰にも内緒って言ってなかった?」
金平糖を前にはしゃぐ菫に、蓮司が言った。
「あ」
「冷やかされるよりお土産渡せない方がストレスでしょ?買ったほうがいいよ。」
蓮司が笑いながら言う。

「本当に隙だらけで心配。」
金平糖屋を出ると、蓮司は心の底から心配そうに言って溜息を()き、眉を下げた。

fin.
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