ハイスぺな俺が北川さんに相手にされない
嬉しかった。
たとえ臭い虫の退治でも
このめちゃくちゃ落ち込んでいる時に
北川さんのそばにいれるから。
「はい、もう大丈夫」
俺は新聞紙で
亀虫をすくってベランダではたいた。
「すみません!
ありがとうございます!
自分で何とかしようとしたんですけども、
飛んだりするし、
結構アクティブに動くし、
気持ち悪いし…
でも私、
ガムテープにくっつけて捨てようなんて、
今思えば残酷なことを
しようとしてました…
この亀虫は、
加瀬さんのお陰で命拾いしましたね」
俺は、北川さんの部屋を見回した。
段ボール箱はもうないけど、
物が多いし、
物の色やデザインに統一感がなく、
雑然としている感じがした。
「やっぱり部屋に虫がいても
殺さず外に逃がすべきですよね。
同じ生き物ですし」
「ゴキブリなら殺るよ、俺」