ハイスぺな俺が北川さんに相手にされない


「北川さんがそう言ってくれるだけで
救われたよ。
ありがとね」


何なの、俺。
北川さんにめちゃくちゃ心配されてる。

そんなに顔に出てんのかな?

いつも通りでいようとしてるのに。



「そうだ!
チョコレート食べますか?
昨日買ったばっかりなんですよ」

北川さんはキッチンの方へ
走っていった。

ん?俺は子供扱いされてるのか?

けど、そんな心遣いもかわいくて、
嬉しい。


「加瀬さん、私に出来ることが
あったら言ってください!

いつもお世話になってる人が
こんなにも落ち込んでいるなんて、
私何かせずにはいられないです…」

北川さんはチョコレートを差し出した。

板チョコだった。

思ってたのと違う。


「言っていいの?」
「はい!」
「言ったらほんとにしてくれるの?」
「はい!」
「じゃあ…」

< 28 / 206 >

この作品をシェア

pagetop