エリート国際弁護士に愛されてますが、身ごもるわけにはいきません

瑠衣はため息をつきながら、その並んだ数列を眺めた。

(二十五歳だと未婚だって思われるのはわかるし、手袋してるから指輪は見えないけど、せめて彼氏がいるかどうかくらい確認してよ……)

咄嗟に結婚していることを言い出せなかった自分を棚に上げつつ、相変わらず思い立ったらすぐに行動に移す佐藤に苦笑が漏れる。

そんな彼が狼狽えて腹を括りきれずに悩んでいるのだから、余程の内容なのだろう。

やはり安易に『流されてみるのも悪くない』なんて言ってしまったのは軽率だったかもしれない。

明日電話をして謝ろう。よく知りもしないで口を挟んでしまったことも、復縁を承諾できないことも。

そう決めて名刺をバッグにしまった所で、後方に大和がいることに気付いた。

オーダーメイドの上質なスーツを着こなし姿勢よく歩く姿は、都心の人通りの多い時間帯でも周囲に染まらず、彼にだけ光が当たっているように感じるほど目立つ。

女性からの熱い視線を気にもとめずにまっすぐ歩いてくる大和のカッコよさに、改めて感嘆の吐息が漏れた。

(あんなにカッコいい人が私の旦那様なんだなぁ。それに、あのスーツ姿と家でのギャップもすごく好き。普段の優しく話す声も、ベッドでのちょっと意地悪な感じとかも……)

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