エリート国際弁護士に愛されてますが、身ごもるわけにはいきません
「さすがにまだ出番はないだろうから、届け先は俺の家にしておいた。瑠衣が引っ越してくる頃には、着られる季節になるだろう」
そうか。秋服を着る頃には、彼の妻になっているのだ。
日毎に大和の妻になるという実感が湧いていき、彼に会うたびに惹かれていく自分に気付く。
知り合って十年になるが、こんなに高い頻度で会ったりはしていなかったし、勉強を教えてもらう以外で長時間話す機会もなかった。
だからこそ、年上の男性に憧れる気持ちはありつつも、今までは恋心に発展することはなかった。
けれど、今は違う。
この結婚が普通とは違うはじまりだったせいで不安もあったが、誠実に接してくれる大和のおかげで、いつの間にか入籍を待ち遠しく感じていた。
「ありがとうございます。嬉しいです。こんなにたくさん、すごい贅沢」
「これくらいなんでもないよ。先生だってたくさん買ってくれただろう?」
大きな法律事務所を経営する祖父と父のもとに生まれた瑠衣は、たしかに一般家庭よりは裕福に育った。
「子供の頃は買ってくれましたが、基本的に自分のものは自分でっていう教育方針でした。だから大学生の頃からアルバイトもしてましたよ」
女性だろうと自立すべきだという父の考えで、高校を卒業してからはお小遣いも一切なかった。