エリート国際弁護士に愛されてますが、身ごもるわけにはいきません
「へぇ、先生は瑠衣には甘々だと思ってた」
「ふふ、意外でしたか?」
瑠衣自身も父の考えに納得できたので、欲しいものは自分が稼いだ分で賄えるものを買っていたし、実家住まいのため、就職してからは少しだけど家に生活費を入れている。
だから金銭感覚は人並みか、もしかしたら普通より財布の紐は固いかもしれない。
「でも俺は瑠衣を甘やかしたいから、瑠衣のものはすべて俺が出したい。他にも買いたい物があるんだけど」
「えっ、まだあるんですか?」
「うん。というか、次が本命」
そうして向かったのは、最高級と名高いアメリカの老舗ジュエリーブランドの東京支店。
まさかとは思っていたが、ここで結婚指輪を選ぼうと言われ、瑠衣は店に入る前から腰が引けてしまう。
世界中の洗練されたセレブが愛用するジュエリーを身につけるには、瑠衣には美貌も社会人としての経験値も足りなさすぎる。
そう伝えてもう少し気軽なものにと提案したものの、ここでも大和は譲る気はないらしく、瑠衣の背中に手を添え、強引に入店を促した。
店内に無駄な装飾はなく、ガラスのショーケースに並べられている眩しいほどの宝石たちに圧倒される。
大和が「結婚指輪を見せてほしい」と告げると、何人もの黒いスーツ姿の店員から「おめでとうございます」と声を掛けられ、担当となる依子と同年代くらいの女性がにこやかに奥の個室に案内してくれた。