エリート国際弁護士に愛されてますが、身ごもるわけにはいきません
室内にもエメラルドカット型のショーケースがあり、定番のソリティアリングやウェディングバンドリング、今季新作のジュエリーが品よく並べられている。
「この度はおめでとうございます。お好みをお聞かせいただけましたら、いくつかご案内させていただきますね」
「瑠衣。遠慮しないで好きなものを選んで。どれが好み?」
そう言われても、どれもキラキラしていて素敵なものばかりで、とても選べそうにない。
(選んだところで、恐ろしくて自分の指につけられない気がする……)
値札がないところがまた恐ろしい。
困惑していると、担当の女性が穏やかに微笑みながら「今人気のシリーズはこちらですが、お客様でしたらこういった華奢なデザインもお似合いになりますよ」と、ケースを指しながら声を掛けてくれた。
プラチナリングにぐるっと一周ダイヤモンドがセッティングされたデザインが多い中、彼女に提案されたのは、緩やかなウエーブを描き交差するリングの中央にふたつダイヤモンドが並んでいる。
「こちらは〝運命の出会いを果たしたふたり〟がコンセプトで、中央のダイヤを愛し合うふたりに見立てたデザインになっているんですよ」
「素敵……」
美しいデザインはもちろん、ロマンチックな物語のようなコンセプトに魅了され、瑠衣はうっとりと指輪を見ながら呟く。
「お試しなってはいかがですか?」
「え、でも」
「お願いします」
瑠衣が戸惑って隣を見上げると、大和があっさりと担当の女性の提案に頷く。