研がれる私/長編エロティックミステリー
トリック③




結局、皆で考えた末、持ち込む拘束具は縄ロープ3本、手錠4個、それにガムテープとした

3人はリュックに入れたそれらを床に並べた

「じゃあ、まず手錠を手と足にはめる。その後、ロープでそこのリビングチェストに括り付けるから、石橋と高石は石神の体を押さえてるんだ。いいな?」

「分かった…」(石橋&高石)

3人は既に緊張で汗びっしょりだ

かく言う私も、額からは汗がしたたり落ち、心臓は嫌が上でもバクバクしてる

さあ、いよいよ康友を拘束だ…


***


「…おい、どうした、石渡…」

石渡…、手錠を手にしたまま、なかなか康友にはめないよ

変だ…

まさか…‼

そう思った次の瞬間、なんと石神康友がすくと立ち上がった…

と同時に、目にも止まらぬ速さで両脇に立っていた石橋と高石を一瞬ではいつくばらせた

厳密には、左横の石橋には首根っこを押さえつけ、右ひざで腹部をドスって感じで蹴り込んだのよ

間髪入れず、右脇の高石には手とうを首元に鋭く打ち込んだ

もうそれだけだった…

私が瞬きしてる間に、なんと二人とも、眠りから覚めた元ソルジャー石神康友の一撃で床にへたり込んでいた!

「石渡、ソファーをキッチンに寄せろ!」

「了解…!」

私は既に、この状況の意味するところが把握できていたが、あまりにの衝撃で棒立ち状態だった…


***


「ルイ!お前の仕掛け、確かに受けたぞ。ここからはオレの反撃だ」

そういう言うが早いか、康友は私の頬にも右手で思いっきり張り手を浴びせてきたわ

「キャアァー‼」

私はおおげさじゃなく、2M近く吹っ飛んだわ

もう床に膝から崩れて、放心状態になるほかなかった

これから何が始まるの…?

そんなこと、分かってるじゃないの‼

石渡が私たちを裏切った以上、康友のなすがままよ

私…、殺される…‼

他の二人も…






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