研がれる私/長編エロティックミステリー
トリック②



それからおよそ10分弱…

スースーという、リズム感のある寝息が私の耳に伝わってきた

ついに”ターゲット”は眠りについたのか…?

私はソファから静かに起き上って、横になってるカレのそばまで寄って行った

それは恐る恐るだったけど…

カレの顔を覗き込む瞬間はもう、心臓爆裂もんだったけど…

間違いなく眠ってる…

うん、クスリは効いたんだわ!

よし…、ラインで外へ報告だ

いやいや…、もう少し慎重に確かめよう…

この間、私の両眼…、瞳孔パックリ開いてたと思う


***


石渡との事前申し合せでは、ここでの3人の室内侵入は、私の判断に一任ということになっていた

私はしばらくの間、康友の眠り具合を注意深く観察した

その眠り方…

まず体は全く動かず、寝息は一定リズムを保ってる

瞼もじっと凝視してみたが、カタマってるし

まるで冬眠のようだった

これ、さずがにもう大丈夫でしょ…

私はこれでもかってくらい、カレの寝つきぶりをチェックしてから、決断した

うん、3人を部屋に呼ぼう…!


***


私は玄関に向かう間も、何度かカレを振り返りながら、なんとも私らしくないおどおどの体で、ローカを出て…

で…、一気に駈けて玄関の鍵を開けた

「入って‼」

私は玄関戸を開けると、外に向かって静かに一声を発したあと、すぐにリビングへ走って戻ったわ

ハア、ハア…

カレはそのままだった


***


3人はすぐにリビングに入ってきたわ

「ルイ…、万事、台本通りなんだな?」

石渡はソファの上で横になってるターゲットを一見すると、小声で私を問いただすように言った

「うん。もう10分以上、ピクリとも動かないわ。寝息が聴こえなきゃ死んでるんじゃないのって思うわよ。高石さん、効いてるってことでいいのよね、クスリ…?」

私のすぐ横で、康友の顔を覗き込むように確認していた高石は、しばらく間をおいてから私に顔を向けて答えた

「…完璧に効いてる。たぶんあと30分近くはこのままだと思う。石渡さん、早くかかろう」

「ああ、そうだな…」

私たちの、私、宮本ルイの愛する人…、石神康友殺害計画は、ついに最終段階に突入となる…‼






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