研がれる私/長編エロティックミステリー

最終章??ー螺旋ー

カレ、阿修羅?①



しかし、ここで高石が声を上げたわ…

「石渡!お前、いい気になってる場合じゃないだろ。オレの頭の上にはもうワンセット、フックがそのままだ。これ、もう一人分ってことだろーが‼違いますかね、石神さん⁉」

「…」

床を這わされてる、無様な格好の私と石橋は、無言で無理な体勢を仰け反らせ、伸びた首をその”もう一人分”に向けていた

確かにだ…‼

じゃあ、あそこには誰が繋がれるっていうのよ!

えっ、ひょっとして…⁉


***


「…高石の指摘はピンポンだ。2番フックは予備でも飾りでもない。本日、”もうおひとり様”、繋がってもらうってことで設置したんだ(薄笑)」

どうやらこの石橋も、私とほぼ同時に、”そのこと”に気づいたようだわ…

「おい、おい…、アハハ、冗談やめてくださいよ、石神さん。まさか…、そこに俺をってことじゃあないですよね…?」

「…」

”バシッ!ボコッ!ボコッ!”

「ううっ…!!」

「石渡!どこまでに鈍いんだよ、お前。さあ、さっさと”配置”に着け‼」

”カチャッ”×2⇒脂肪付クソヤローの両手首

”カチャッ”×2⇒脂肪付クソヤローの両足首

この施錠音…、私、一生耳にこびりつくって…


***



なんと、いきなりの蹴りとパンチで石神は石渡をうずくませ、わずか数秒で、左の手首と足首を私たちみたいに手錠で固定されちゃった…

私は裏切ったクソデブにざまーみろって気持ちはあったが、冷静に考えて、それどこじゃあないよ‼

これから石神は、私たち4人に何をしよーってのよ!


***


「クソー、石神、汚ねーぞ‼だましやがったな!さんざん利用してきたくせにー!」

「お前、勘違いしてるぞ。約束した金はちゃんとやるって。ルイを強○するのも、”コト成就の暁”なら、どーぞどーぞだ。ただし、オレのコト成就とお前の”それ”が一緒とは限らねえから(薄笑)。…そこんとこ、ご了解願うぜ、アハハハ…。それと、オレに協力してこいつらから寝返るからって、お前を傷つける対象から外すとは一言も言ってねーぜ。だからよう、俺はお前をだましたんじゃないんだよ。以上…」

「わー、そんなのメチャクチャだー‼勘弁してくれよー!」

「うっせーな、このデブが!こっちは急ぐんだ。もう黙ってろって!」

”バシッ!ボコッ!ボコッ!”

「ギャー、痛てー‼やめてくれー!」

恐ろしい…

これが石神康友の本性なの…?

カレ…、阿修羅だ…






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