研がれる私/長編エロティックミステリー
カレ、阿修羅?②


私はもうぶるぶる震えていた…

恐い…

今日、ここでもうすぐ、愛する恋人に殺されるんだ

もう私、ここにきてはっきりとそう確信していたわ

助けて…、死にたくないよーー‼

情けないけど、心の中ではそう叫んで、命乞いしてた


***


「さて…、では、これから諸君には、それぞれの役を演じてもらうぞ。しかしよう…、ここから見下ろしても実にいい眺めだぜ。まるで映画に出てくるムカデ人間だな、お前ら。ハハハハ…」

始まる…!

カレにとっては、これから起こる(起こす?)ことは、あくまで私との命の奪い合いをテーマにした自作の物語の一幕に過ぎないんだ

私はもう、おしっこが漏れそうなくらい、恐怖におびえていたって!


***


「…まず言っとくが、このつないだ順番にはちゃんと”意味”があるんだ。…じゃあ、順々に行こうか。最初は高石だ。”これ”で頭の上のぶよった足のふくらはぎを刺すんだ。ほれ…」

「…」

繋がれた私たちは声が殺された

カンペキに…

高石の右手には”あの態勢”のまま、石神から渡されたナイフが収まっていたのよ!

「高石ー、刺すなよ!やめてくれー‼」

石渡は今の状況が理解できたのか、もうパニクッてブヨった全身を醜くもがき続けていたわ

文字通り、ジタバタを絵に描いて…


***


「やだよ!こんなことに協力できるかー‼」

高石は石神の要請…、ううん…、命令、ミッションを即、拒絶してくれたわ

「なら、オレがまずお前の足を刺す。その後、もう一度聞こう。いや‥、その前に概ね説明しといてやるか…。みんなも聞いとけ!高石からスタートして、石渡は自分が刺されたら、今度はテメーの頭上に這いつくばってる石橋の足を刺す。そして、石橋はさらに頭上に繋がれてるルイの心臓を刺すんだ。要はこのオンナの命を奪うことになるな…」

「!!!」

「貴様ー‼だからルイだけを仰向けにしたんだな!絶対にルイは刺さない!殺すもんか、お前なんかに命令されて‼」

「石橋さん…!」

私は頭がくっついてる石橋さんに涙を流しながら、感謝した

完全、宮本ルイのガラを脱ぎ捨ててだよ!

「ルイちゃん…、オレは例え石渡に刺されても君には手をくださない。惚れてんだよ…、オレは宮本ルイに!…すきま女優のあのサイトで”出会って”からずっと…!」

「ありがとう…、石橋さん…」

私は涙をボロボロ流していたわ

文句なく、嬉しかったよ

ここでも、”通常”のワタシじゃなかった…






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