研がれる私/長編エロティックミステリー
相互殺意②



「ルイ、ここでお互い明確にしとこう。オレたち二人の”今回”で、一番の目的はだ、究極の刺激を互いが共通体感できることだと思ってる。お前はどうだ?」

「私も同感よ」

「うん…。であれば、オレとお前のどっちが殺されようが、それは二次的な結果に過ぎない。これもいいか?」

「…いいわ」

私は多少ためらったが、同意した


***


実際、そうは思ってるし…

ただ、当初の前提はバーチャルだった

で…、今はどうなのか…

正直、ここへ来て分からなくなってきてるし…


***


「よし…。じゃあ、あらかじめ最低限の事前了解は交わしたい。オレは基本、受け身でいこう。お前が選りすぐった共犯者と組み、オレを殺しに来い。念入りな策を練って、仕掛けるんだ。目安は概ね一本の映画の尺で収まる起承転結としよう。まあ、通常なら、3度がマックスだろう。無論、1度目より2度目、さらに次と、殺しを企む側はレベルアップしてかなきゃ、作品自体が成立しないからな」

「わかったわ。まずは、殺しのプロに対抗できる共犯者を発掘するわ。確認するけど、今までみたいなサイトを通じた応募じゃなくてもいいのね?」

「ああ、それに拘束しない。自由にやれ」

まずは言質がとれた…


***


「了解。あなたを驚かせる人選と殺害方法を用意するわ。そして、この刺激的なストーリーは何としても、愛しい恋人であるあなたの命を奪う結末に導いて見せる」

「うれしいねえ…。だが、ハンパな攻め口じゃあ、オレのタマは取れん。その為にはあえて言うが、手段に捕らわれるな。何でもアリでいいぜ。サイトユーザーの観客も、モンスポ”覗き見”連中もその方が喜ぶしな」

「じゃあ、私も念押しね。それ…、共犯者の人選でもいいのね?何でもアリで…」

「ああ、好きにやれ。健闘を祈るってとこさ(薄笑)」


***


事実上、私たち愛する二人の男女は相互殺意を確認し合い、危険なストーリーの序章を終えた

これからは、リアルとバーチャルの狭間に湧き出た底なし沼に踏み込み、その危険な淵を二人三脚よ

互いに手錠をはめあって…







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