研がれる私/長編エロティックミステリー
奇策あり⑥



プーと私はその後も、色々と今後の”打合せ”をしたわ

まあ、その延長で雑談・世間話の類にも花が咲いたが…

で…、やはり、コイツのヒモ7人はハッタリだった

っていうか、全く話が違ってた(大笑)


***


「えー❓❓じゃあ…、あの動画で抱いてた相手、”有料”だったのー⁉」

「おい、おい…、声デカいって。やべーだろ、そう言う表現…」

ハハハ…

また額からぎっとりと汗垂らしてるわ、プーのやつ

「…とにかくよう、俺は職ついてもすぐ辞めちゃってさ…。ビジュアルもそうモテる方でもないから、カノジョとかもなかなかできねえんだよ、やっぱね。ところが、生まれつき性欲は極めて旺盛でさ。モテない、金がないでも、女は定期的に抱かないと死んじゃう体質なんだよ、俺さ…」

私は生まれて初めて、口からカクテルを吹き出した

頼むから、プーさん…、勘弁してくれって(大バク笑)

私はしばらく、お腹の腹筋がつってて痛かったわ


***


「あのなあ~、笑い事じゃあないんだぜ、俺にとっちゃあ…。何と言ってもそういう訳でさ、プータローで収入なくても女を抱くたび出費がかさむ人生歩んでるんで。まあ、その行き着いた先が、この指だわ。ふう…」

そう言って石渡は、左手薬指の包帯部分を私にズームアップさせたわ

「もうだいぶ乾いてきたから、包帯とってこのザマ見るか?」

「いや、それはいい。止めといて」

「ふふ…、ガラにもなく、結構そう言うの苦手かよ、ルイ…」

うわあ~

不気味な笑い顔止めてくれー


***


しかし、この時、私が包帯の中身を見たがらなかった理由…

私は単に、グロいのを目にすることを避けたかった訳ではなかった

そうよ…

私、もっと違うことを恐れて目にしたくなかったのよ

それは石渡には到底考え及ばない理由…





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