研がれる私/長編エロティックミステリー

第2章ー面接ー

一人目の男①



カクテルバー、”インセイン”…

その店はこれから私のストーリーを刻むには、格好の舞台と言えた

何しろ無国籍・過去未来感がごった煮状態の内装で、いやいやーってくらいなんともだった

高い吊り天井のからの照明は、裸電球を鷲掴みしたようなシャンデリア

カベは上面だけだが漆喰塗り、床は大理石調でピカピカのなんちゃって石廊(?)…

一歩間違えば滅茶苦茶な感じなのが、私には妙にしっくりくるの

何しろ…


***


決して狭くない店内は、カウンターの他、丸テーブルで約12チェアー分あった

私の指定位置は窓に近い11番席だった

ここで7時半前後に一番目の男優さん(?)が現れる

そして、私のいるテーブルに着くことになっている

その際、第一声…、と言うか”合言葉”は、”パートナー採用の面接席はここかな?”である

うん、イカすセリフだ

サイト側も何ら注文を挟んでこなかったし


***


そして私はカレに答える

「世にも奇妙な面接へようこそ…。私は宮本ルイです。今日は面接官の役よ…」

始まりは4人とも同じ

万事、コレになる

まあ、このくらいは決めとかないと

採用要件は殺人の意志、そして実行力の判定となるんだし…

人間違えじゃあシャレにもならない

下手したら逮捕

再びブタ箱入りなんてゴメンよ!


***


そして午後7時半ジャスト…

インセインの入口扉は開いた

その重々しき開き扉が外を塞ぐと、その影はゆっくりと私に向かってきた…

あの人だわ!

ゼッケン一番さんは

さあ、開演ね…






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