研がれる私/長編エロティックミステリー
一人目の男②



ファーストワードはそのまんまだった

私は”そうよ”と答えると、一人目のカレは私の正面に座った

ドリンクのオーダーはソルティードッグ

ついに始まったわ


***


まず私の装いは、最初ってことで、シックな黒のスーツに身を纏ってみた

結果的に、モロ面接官だったようだ(苦笑)


***


対する彼のビジュアルは完璧に及第点

それ以下でも以上でもない、文字通りのそれってこと

さすがは一番バッターだ


***


このカレは黒のポロシャツ姿よ

肩幅は広く、精悍な日焼け肌は薄暗いココでもはっきりわかった

顔的にはややしわが目立ったが、その分、笑った時の表情にマッチしていてて、まあ悪くない

さあ、問題は内面となる


***


「私のパートナーになってくれるんなら、”例の条件”、ハードル超えしてしてもらわないと。どうですかね?」

見た目30代半ばのカレ、名前は高石トール

背は170センチちょっとってとこで、髪型は短く若干染めてるようだった

もみあげも気にならない程度で、バリカンの入れ具合もいいし、何より目が鋭い

ここが極めて気に入った

だが…、ややパンチに欠けるかな

まあ、殺人協力のオーダー女が描く絵柄はそれなりとなるし、フツー度が高ければその分、拍子抜け感は否めない

うん、そこは意識的に割引きは必要だ


***


とは言え、肝心なとこはクリアしとかないといけないんで…

「そこで実際、私のオーダー叶えられる算段あるんですかね…。あなたには」

「ああ、ある」

「自信ありってことでいいのね?」

「いいよ」

うん、端的でいい

話は流れるようだったわ






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