さよならしたはずが、極上御曹司はウブな幼馴染を赤ちゃんごと切愛で満たす
「無理よ。今のままじゃ無理」
「光莉、こっちを見てくれ」
「無理なの。律樹さんと私じゃ一緒に生きていけない。何もかも違うんだってわかった」
目から涙が溢れて視界がぼやけていく。その一方、心の中にある想いがはっきりとたしかなものであると実感していた。
「愛してる、光莉」
切実な彼の声が鼓膜に届いて、息が止まりそうになった。
「君を、愛しているんだ」
――私もあなたを愛している。そう言ってしまいたい。
「光莉は、俺を信用できないのか?」
――あなたを心から信じている。そんなふうに本当は伝えたい。
けれど、それはできない。愛しているからこそ、言葉にはできない。
光莉は震える唇を開き、想いとは裏腹の嘘をつく。
「ただ、私を、自由にしてほしい」
――本当は、ずっと、あなたの側にいたい。
何かを告げようとしている律樹に、光莉は彼のその言葉を封じるように先に告げた。
「あなたと再会できたことは幸せだったと思ったよ」
「これから君を絶対に幸せにする。前に約束しただろ。結婚式を挙げるっていう約束、ちゃんと叶えよう」
光莉は首を横に振った。
「結婚式だってお父さんに見せられないんじゃ意味がないわ。常盤家の一員になること、私には荷が重かったよ。律樹さんのようにはうまく立ち回れない。もう心がついていかないの。協力して、解放してほしい。それに、私ほかに好きな人ができたの」
「光莉……本気で言っているのか?」
律樹が光莉の肩を抱く。その手を、光莉は押し返した。
「ねえ、りっちゃん、やっぱり訂正するわ。私たちは再会しない方がよかったのかもしれないね。綺麗な思い出のまま、あの頃の私たちのまま……」
「俺は後悔なんてしなかった。君に、ずっと会いたかったんだ。君も同じ気持ちだったんじゃないのか?」
ずっと会いたかった。彼に恋をしていた。そして、彼を愛してしまった。
「守ってくれたことは感謝してる。色々私のためにしてくれたことも嬉しかった。これから、あなたに迷惑をかけてしまうこと、本当にごめんなさい」
涙がこぼれないように、ただそれだけ。
泣くのはあとからでいい。
愛している。だからこそ、今は離れなくてはいけない。どうかわかってほしい。
* * *
『わかった。父には俺から伝える。根回しもしておくよ』
律樹が告げた途端、ホッとした表情を見せた光莉のことが忘れられない。
「光莉、こっちを見てくれ」
「無理なの。律樹さんと私じゃ一緒に生きていけない。何もかも違うんだってわかった」
目から涙が溢れて視界がぼやけていく。その一方、心の中にある想いがはっきりとたしかなものであると実感していた。
「愛してる、光莉」
切実な彼の声が鼓膜に届いて、息が止まりそうになった。
「君を、愛しているんだ」
――私もあなたを愛している。そう言ってしまいたい。
「光莉は、俺を信用できないのか?」
――あなたを心から信じている。そんなふうに本当は伝えたい。
けれど、それはできない。愛しているからこそ、言葉にはできない。
光莉は震える唇を開き、想いとは裏腹の嘘をつく。
「ただ、私を、自由にしてほしい」
――本当は、ずっと、あなたの側にいたい。
何かを告げようとしている律樹に、光莉は彼のその言葉を封じるように先に告げた。
「あなたと再会できたことは幸せだったと思ったよ」
「これから君を絶対に幸せにする。前に約束しただろ。結婚式を挙げるっていう約束、ちゃんと叶えよう」
光莉は首を横に振った。
「結婚式だってお父さんに見せられないんじゃ意味がないわ。常盤家の一員になること、私には荷が重かったよ。律樹さんのようにはうまく立ち回れない。もう心がついていかないの。協力して、解放してほしい。それに、私ほかに好きな人ができたの」
「光莉……本気で言っているのか?」
律樹が光莉の肩を抱く。その手を、光莉は押し返した。
「ねえ、りっちゃん、やっぱり訂正するわ。私たちは再会しない方がよかったのかもしれないね。綺麗な思い出のまま、あの頃の私たちのまま……」
「俺は後悔なんてしなかった。君に、ずっと会いたかったんだ。君も同じ気持ちだったんじゃないのか?」
ずっと会いたかった。彼に恋をしていた。そして、彼を愛してしまった。
「守ってくれたことは感謝してる。色々私のためにしてくれたことも嬉しかった。これから、あなたに迷惑をかけてしまうこと、本当にごめんなさい」
涙がこぼれないように、ただそれだけ。
泣くのはあとからでいい。
愛している。だからこそ、今は離れなくてはいけない。どうかわかってほしい。
* * *
『わかった。父には俺から伝える。根回しもしておくよ』
律樹が告げた途端、ホッとした表情を見せた光莉のことが忘れられない。