さよならしたはずが、極上御曹司はウブな幼馴染を赤ちゃんごと切愛で満たす
その証拠を探るべく水面下で調べていたのだが、正攻法で明るみにするには圧倒的に時間が足りなかった。証拠さえ揃えられれば、修蔵の失脚は免れないのに。そのとき律樹にできることは唯一、山谷食品への圧力を止めさせ、光莉を側においておくことだったのだ。
『山谷食品への融資を止めるよう圧力をかけているのは父さんですよね?』
『……だとしたら? ライバル会社をつぶそうと思うのは自然なことでは?』
『常盤の何倍も小さな企業をライバル視? そんなわけない。なにが望みですか?』
『お前がどうしても私の後を継がない というから、いろいろ調べてね。お前がやたら山谷食品を気にかけ調べているのを知ったんだ。そこの社長令嬢とお前は幼馴染だな』
『関係ありません』
『私の願いはただひとつ、お前が後を継いでくれればそれでいい』
『わかりました。後を継ぎますから山谷から手を引いてください』
『ものわかりがよくて助かる。跡取りになるならさっそく縁談を……』
『そのかわり、ひとつ条件があります。山谷食品の娘と結婚をさせてください』
一度潰そうとした会社は徹底的に潰す修蔵の傾向はよく知っている。山谷食品を守りつつ、彼女にも手出しをさせないように律樹が考えたことだった。無論、彼女を忘れられなくて結婚したいと思ったことも事実だ。
修蔵の不正を暴くには労を要した。信頼できる部下を囲い、証拠を揃えるまであと少し。それだけではない。修蔵の失脚後に律樹を待ち構えているのは会社の刷新だ。
父に求められて常盤の会社に入って以来、金と権力に物をいわせてきた会社を内側から変えていきたいと、律樹は考えていた。
しかし残念ながらまだそこまでに至らない。山谷食品の部門の責任者になり、経営の建て直しをしながら、下請けの中小企業が苦しんでいる事実を目の当たりにし、なんとか変えていかなければと思った。
光莉を幸せにしたい。そう思って邁進してきたつもりだったったが、それは独りよがりだったのだろうか。彼女に心配をかけまいと余計なことを話さずにいた。だが、すべて打ち明けるべきだったのだろうか。
なんとか光莉を引き留めておきたかったが、彼女はもうとっくに限界を迎えている。自由を奪うわけにはいかない。好きな人がいると言われてしまえば、彼女の心が離れてしまったのなら、どうすることもできない。
『山谷食品への融資を止めるよう圧力をかけているのは父さんですよね?』
『……だとしたら? ライバル会社をつぶそうと思うのは自然なことでは?』
『常盤の何倍も小さな企業をライバル視? そんなわけない。なにが望みですか?』
『お前がどうしても私の後を継がない というから、いろいろ調べてね。お前がやたら山谷食品を気にかけ調べているのを知ったんだ。そこの社長令嬢とお前は幼馴染だな』
『関係ありません』
『私の願いはただひとつ、お前が後を継いでくれればそれでいい』
『わかりました。後を継ぎますから山谷から手を引いてください』
『ものわかりがよくて助かる。跡取りになるならさっそく縁談を……』
『そのかわり、ひとつ条件があります。山谷食品の娘と結婚をさせてください』
一度潰そうとした会社は徹底的に潰す修蔵の傾向はよく知っている。山谷食品を守りつつ、彼女にも手出しをさせないように律樹が考えたことだった。無論、彼女を忘れられなくて結婚したいと思ったことも事実だ。
修蔵の不正を暴くには労を要した。信頼できる部下を囲い、証拠を揃えるまであと少し。それだけではない。修蔵の失脚後に律樹を待ち構えているのは会社の刷新だ。
父に求められて常盤の会社に入って以来、金と権力に物をいわせてきた会社を内側から変えていきたいと、律樹は考えていた。
しかし残念ながらまだそこまでに至らない。山谷食品の部門の責任者になり、経営の建て直しをしながら、下請けの中小企業が苦しんでいる事実を目の当たりにし、なんとか変えていかなければと思った。
光莉を幸せにしたい。そう思って邁進してきたつもりだったったが、それは独りよがりだったのだろうか。彼女に心配をかけまいと余計なことを話さずにいた。だが、すべて打ち明けるべきだったのだろうか。
なんとか光莉を引き留めておきたかったが、彼女はもうとっくに限界を迎えている。自由を奪うわけにはいかない。好きな人がいると言われてしまえば、彼女の心が離れてしまったのなら、どうすることもできない。