さよならしたはずが、極上御曹司はウブな幼馴染を赤ちゃんごと切愛で満たす
「俺は、今でも君を愛している。君は俺のことを、もう愛してはいないか?」
 愛してる。光莉だって一緒だ。律樹のことを今でも愛している。ずっと愛している。
 忘れたくたって忘れるはずがない。
 ずっと覚えていたかった。
 日に日に律樹に似てくる葵生を見ているうちに忘れるばかりかますます愛おしさは増すばかりで。
 色褪せていくどころか、会いたい気持ちがどんどん募っていた。
 会いたい、会いたい、会いたい。
 あなたに会いたい。
 どれほど数えたかわからない。果ての見えない未来を想像したとき、律樹が側にいないことを考えただけで、光莉は何度も絶望した。
 わかっていた。思い出だけで生きていくなんて無理なのだ。ただ、強がっていなければ、あっという間に脆く崩れてしまうから、精一杯言い訳をしていただけだ。
 実際、こうして律樹を目の前にしたら、触れたくて抱きしめられたくてたまらなくなっている。
 今も変わらない想いが胸にある。
 彼への恋しさや愛おしさは募るほどにここにある。
「光莉」
 光莉、光莉……と、慈しむように名前を呼びながら、律樹が髪に触れ、頬に唇を寄せ、それから、唇を求めてきた。
 抗うことなんてできなかった。触れた瞬間、全身に震えが走った。
 いつの間にか、酸素を奪い合うみたいに、乾いた心を満たしたくて、夢中でお互いを求め、息ができなくなるくらい口づけを交わしていた。
「怖がることをしないって約束をしたのにな……ごめん。だめだ」
「私もずっとあなたに会いたかった……!」
 光莉の言葉を聞き、律樹が勢い余ってソファに光莉を押し倒した。
「君が欲しい。今すぐに欲しい。どうしても……止められない」
 律樹の身体を受け止めてからは、彼がくれる口づけや愛撫に溺れるだけだった。
「律樹……さんっ」
 律樹のことが怖いわけがなかった。怖いのは、どれほどでも彼を欲している自分の中にある彼への深い想いの方だ。尽きなく、果てなく、恋焦がれてしまう。律樹と同じだ。箍が外れたらもう止められない。
「光莉っ」
 息をつく間もない嵐のような愛撫だった。溺れるように彼の腕に抱かれ、恋しさや愛しさをすべてぶつけるように、焦がれながら堕ちていく。
 離れていた時間に変わってしまった部分だってあるかもしれない。一瞬だけ不安に思い強張った光莉の心ごと溶かすように律樹は触れていく。
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