さよならしたはずが、極上御曹司はウブな幼馴染を赤ちゃんごと切愛で満たす
『違うのよ。お父さん、私がよく話をしていた、りっちゃんのこと、覚えているでしょう?』
『それは彼の口からも聞いた。条件付きの結婚とはいえ、光莉を……大事にすると。そう言ってくれたね?』
幸雄は縋るような目で律樹を見た。一方、光莉は驚いて律樹の様子を窺った。そんなふうに伝えていたなんて彼は一言も言っていなかったのに。そして、懲りもせず、彼の言葉に期待しそうになる自分の感情を、光莉はぐっと抑え込んだ。
『はい』
律樹は表情を変えず、そして言い淀むことなく、幸雄をまっすぐに見る。傍目から見れば、真剣さが伝わってくる気迫に溢れていた。
『光莉は、彼を信じるのか? それでいいのか?』
複雑な感情を押し殺し、光莉は頷く。
『こういう形だったけれど、私は……りっちゃんのことが好きだったし、もちろん昔と今ではお互いに変わったこともあるけれど、でも、久しぶりに話をしたらやっぱりお互いに気が合って、何回か会ううちに、彼と結婚したいって思ったのよ。さっき伝えたことは本当よ』
半分は本心だが、内心後ろめたさを感じて表情を強張らせてしまった光莉の代わりに律樹が前に出た。
『僕も同じ気持ちです。光莉さんを……愛しています。今では一日も早く結婚したいと思っているんです。光莉さんのことは僕が幸せにしますから、どうか僕に任せてください』
『そうか……お父さんはてっきり……』
幸雄を安心させるために、光莉はわざとらしいくらい明るく振る舞った。
『そういうことなの。だから、お父さん、早く元気になってね』
幸雄は複雑そうな表情を浮かべながらも、ホッと胸を撫で下ろし、寂しげに微笑んだ。
『光莉がそう言うのなら。ふたりで決めたことなら……』
『そうよ。だから、お父さんが気にする必要なんてないのよ』
『……ありがとう、光莉。律樹くんも、ありがとう。どうか、娘を幸せにしてほしい』
『はい、もちろんです』
『光莉も、必ず幸せになるんだよ。おまえには、誰よりも幸せになる権利があるんだ』
父の手の温もりが強く、光莉の胸にまで届いた。本心を隠して笑顔で頷いた。
『それは彼の口からも聞いた。条件付きの結婚とはいえ、光莉を……大事にすると。そう言ってくれたね?』
幸雄は縋るような目で律樹を見た。一方、光莉は驚いて律樹の様子を窺った。そんなふうに伝えていたなんて彼は一言も言っていなかったのに。そして、懲りもせず、彼の言葉に期待しそうになる自分の感情を、光莉はぐっと抑え込んだ。
『はい』
律樹は表情を変えず、そして言い淀むことなく、幸雄をまっすぐに見る。傍目から見れば、真剣さが伝わってくる気迫に溢れていた。
『光莉は、彼を信じるのか? それでいいのか?』
複雑な感情を押し殺し、光莉は頷く。
『こういう形だったけれど、私は……りっちゃんのことが好きだったし、もちろん昔と今ではお互いに変わったこともあるけれど、でも、久しぶりに話をしたらやっぱりお互いに気が合って、何回か会ううちに、彼と結婚したいって思ったのよ。さっき伝えたことは本当よ』
半分は本心だが、内心後ろめたさを感じて表情を強張らせてしまった光莉の代わりに律樹が前に出た。
『僕も同じ気持ちです。光莉さんを……愛しています。今では一日も早く結婚したいと思っているんです。光莉さんのことは僕が幸せにしますから、どうか僕に任せてください』
『そうか……お父さんはてっきり……』
幸雄を安心させるために、光莉はわざとらしいくらい明るく振る舞った。
『そういうことなの。だから、お父さん、早く元気になってね』
幸雄は複雑そうな表情を浮かべながらも、ホッと胸を撫で下ろし、寂しげに微笑んだ。
『光莉がそう言うのなら。ふたりで決めたことなら……』
『そうよ。だから、お父さんが気にする必要なんてないのよ』
『……ありがとう、光莉。律樹くんも、ありがとう。どうか、娘を幸せにしてほしい』
『はい、もちろんです』
『光莉も、必ず幸せになるんだよ。おまえには、誰よりも幸せになる権利があるんだ』
父の手の温もりが強く、光莉の胸にまで届いた。本心を隠して笑顔で頷いた。