さよならしたはずが、極上御曹司はウブな幼馴染を赤ちゃんごと切愛で満たす
艶やかな着物を召したご婦人方、お嬢様方のセリフを思い出し、日頃の付き合い方がどれほど大切なのかを光莉は理解した。こういった社交や行事をこなしてきた麻美には敬意を感じずにはいられない。
それでも、わざと意地悪をして場をかき乱した上に、やたら優越感に浸っている麻美のことを振り返ると、だんだんと苛立ち、最後にはげんなりしてしまった。
そもそも麻美が足を引っかけなければ転んだり茶碗を割ったりすることなんてなかった。つまり、彼女はわざと光莉に恥をかかせたのだ。でも、それを証明してくれる人は誰もいない。
割れた茶碗の 片付けを終えたあと、光莉は気合を入れ直した。できないこと以上にできることを増やしていけばいい。そう思ったのだ。麻美に指示を仰ごうとしたが、彼女は有頂天のあまりにお喋りに夢中になっていて、他に目が行き届いていない様子。仕方ないので、光莉は客人の見送りに備え、手伝いを必要としている人がいないか見渡した。
そのとき、ひそひそと噂話が聞こえてきた。
「麻美さん、何よあれ。すっかり女主人のつもりでいるのかしら。品がなくて好きじゃないわ」
「雄介さんじゃどこか頼りないからかしらね。媚びを売るのに必死なのよ。やっぱり律樹さんじゃないと……」
麻美に思うところがある人もいるらしい。しかし麻美は麻美でやるべきことをやっているのは事実。光莉はいやな気持になりそうだったので、それ以上は聞かなかったことにした。
その傍ら、光莉は麻美の手の行き届かない部分をカバーすべく、足の悪い老婦人に手を貸し、着物を汚してしまった小さな令嬢の着替えを手伝い、なんとか裏方として支えようと必死に動いていたのだが、麻美には余計なことをするなと、怒られてしまった。
(結局、麻美さんは私が何をしても気に入らないのね)
すべての片付けが終わり、お勝手口から縁側の方に回る。誰もいないのを確認したあと、光莉はそこに座り込み、ぼんやりと庭を見渡した。
お茶会を催したのは枯山水が描かれた正面の庭。こちらはお客には見せない裏庭。
(私はこっちの方が落ち着くわ……)
光莉はため息をつく。
それでも、わざと意地悪をして場をかき乱した上に、やたら優越感に浸っている麻美のことを振り返ると、だんだんと苛立ち、最後にはげんなりしてしまった。
そもそも麻美が足を引っかけなければ転んだり茶碗を割ったりすることなんてなかった。つまり、彼女はわざと光莉に恥をかかせたのだ。でも、それを証明してくれる人は誰もいない。
割れた茶碗の 片付けを終えたあと、光莉は気合を入れ直した。できないこと以上にできることを増やしていけばいい。そう思ったのだ。麻美に指示を仰ごうとしたが、彼女は有頂天のあまりにお喋りに夢中になっていて、他に目が行き届いていない様子。仕方ないので、光莉は客人の見送りに備え、手伝いを必要としている人がいないか見渡した。
そのとき、ひそひそと噂話が聞こえてきた。
「麻美さん、何よあれ。すっかり女主人のつもりでいるのかしら。品がなくて好きじゃないわ」
「雄介さんじゃどこか頼りないからかしらね。媚びを売るのに必死なのよ。やっぱり律樹さんじゃないと……」
麻美に思うところがある人もいるらしい。しかし麻美は麻美でやるべきことをやっているのは事実。光莉はいやな気持になりそうだったので、それ以上は聞かなかったことにした。
その傍ら、光莉は麻美の手の行き届かない部分をカバーすべく、足の悪い老婦人に手を貸し、着物を汚してしまった小さな令嬢の着替えを手伝い、なんとか裏方として支えようと必死に動いていたのだが、麻美には余計なことをするなと、怒られてしまった。
(結局、麻美さんは私が何をしても気に入らないのね)
すべての片付けが終わり、お勝手口から縁側の方に回る。誰もいないのを確認したあと、光莉はそこに座り込み、ぼんやりと庭を見渡した。
お茶会を催したのは枯山水が描かれた正面の庭。こちらはお客には見せない裏庭。
(私はこっちの方が落ち着くわ……)
光莉はため息をつく。