さよならしたはずが、極上御曹司はウブな幼馴染を赤ちゃんごと切愛で満たす
「帰り、眠かったら遠慮しなくていいから」
律樹がそう言ってくれたけれど、光莉はとても眠れそうになんてなかった。
「むしろ、私が運転しようか?」
律樹にばかり運転してもらって悪い気がしたのだが、予想以上に彼は驚いていた。
「まさか。この車スタイリッシュに見えて結構な馬力があるし、下手したら崖からダイブだぞ」
光莉はさっと青ざめる。
無理心中という大きな見出し付きで翌朝トップニュースになるまで想像してしまった。
「や、やめておくね。じゃあ、せめて助手席でサポートするよ。あ、さっそくだけど、ハッカキャンディ食べる?」
「いや、いい」
「そ、そう?」
手持無沙汰になってしまった光莉をよそに、律樹は相変らずのんびりとした空気を醸し出している。
「君と一緒に食べたあんみつの味が消えるのがもったいない気がしたんだ」
「…………」
ああ、またそういうことを彼はさらっと言う。恥ずかしげもなく素直に。今日は本当におかしい。律樹の心境にどんな変化が起きているのだろうか。
「……あの、ひとつだけ言ってもいい?」
どうしようもなく苦情を出したい気持ちになった。けれど、指摘する方が恥ずかしいような気もする。
「何?」
「やっぱりいい。ちょっとだけ眠くなってきたかもしれない」
なんとかごまかしたつもりだけれど、律樹相手ならごまかすこともなかったみたいだ。
「無理しないでいい。俺なら大丈夫だ」
本当に気遣ってもらってしまい、いたたまれない光莉だった。
それから、光莉はいつの間にか本当にうとうとと睡魔に誘われてしまっていた。
どのくらい時間が経過したのか。気だるさに身を委ねていたところ、風の音と湿度を孕んだ空気を感じて、光莉は目を覚ました。故郷や自然の中とは違う、都会の夜気を感じる匂い。
車の窓が少し開かれていて、光莉は隣にいるはずの律樹の方を振り向くが、彼の姿は運転席にはなかった。
どうやら外に出ているらしい。休憩で立ち寄ったのかもしれない。
(ここは……お台場あたりかな)
光莉は助手席のシートベルトを外そうとして、既に外れていたことに気付く。足元にはブランケットが落ちていた。
助手席でサポートするどころか、律樹に色々お世話をしてもらっていたらしい。
律樹がそう言ってくれたけれど、光莉はとても眠れそうになんてなかった。
「むしろ、私が運転しようか?」
律樹にばかり運転してもらって悪い気がしたのだが、予想以上に彼は驚いていた。
「まさか。この車スタイリッシュに見えて結構な馬力があるし、下手したら崖からダイブだぞ」
光莉はさっと青ざめる。
無理心中という大きな見出し付きで翌朝トップニュースになるまで想像してしまった。
「や、やめておくね。じゃあ、せめて助手席でサポートするよ。あ、さっそくだけど、ハッカキャンディ食べる?」
「いや、いい」
「そ、そう?」
手持無沙汰になってしまった光莉をよそに、律樹は相変らずのんびりとした空気を醸し出している。
「君と一緒に食べたあんみつの味が消えるのがもったいない気がしたんだ」
「…………」
ああ、またそういうことを彼はさらっと言う。恥ずかしげもなく素直に。今日は本当におかしい。律樹の心境にどんな変化が起きているのだろうか。
「……あの、ひとつだけ言ってもいい?」
どうしようもなく苦情を出したい気持ちになった。けれど、指摘する方が恥ずかしいような気もする。
「何?」
「やっぱりいい。ちょっとだけ眠くなってきたかもしれない」
なんとかごまかしたつもりだけれど、律樹相手ならごまかすこともなかったみたいだ。
「無理しないでいい。俺なら大丈夫だ」
本当に気遣ってもらってしまい、いたたまれない光莉だった。
それから、光莉はいつの間にか本当にうとうとと睡魔に誘われてしまっていた。
どのくらい時間が経過したのか。気だるさに身を委ねていたところ、風の音と湿度を孕んだ空気を感じて、光莉は目を覚ました。故郷や自然の中とは違う、都会の夜気を感じる匂い。
車の窓が少し開かれていて、光莉は隣にいるはずの律樹の方を振り向くが、彼の姿は運転席にはなかった。
どうやら外に出ているらしい。休憩で立ち寄ったのかもしれない。
(ここは……お台場あたりかな)
光莉は助手席のシートベルトを外そうとして、既に外れていたことに気付く。足元にはブランケットが落ちていた。
助手席でサポートするどころか、律樹に色々お世話をしてもらっていたらしい。