風と共に去らなかった夫になぜか溺愛されています
 夫婦の寝室の寝台に放り投げられたグロリアは、胸元を両手で守りながらブレア伯を見上げた。
「ウォル、と。どうかそう、呼んでほしい」

「あの、ウォル様……」
 グロリアが彼の名を口にした途端、その唇を塞がれた。グロリアが目を閉じる間もないまま、角度をつけて深く口づけられる。あまりにもの展開の早さに少し呆けることしかできなかった。

「ずいぶん、とろけた顔をしているな」
 ウォルターが自身のシャツのボタンに手をかけた。

「リリー。愛している」
 熱い吐息と共に、彼の熱い言葉がグロリアにかけられる。

 一体、何が起こったのか、さっぱりわからない。
 だが、これから何が起ころうとしているのかだけは、なんとなくわかる。
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