風と共に去らなかった夫になぜか溺愛されています
 屋敷の者が見ている中で、そのような熱い抱擁と熱い口づけはやめて欲しい。そして、それを見て喜んでいる使用人たち。喜ぶな。

「今から私は部屋に籠る。明日の朝まで、誰も近寄るな」

 ブレア伯がそう言い終わるや否や、グロリアの身体がふわりと浮いた。

「え」
 驚き、グロリアはブレア伯の顔を見つめるが、そこには飢えた獅子のように目をギラギラと光らせている男の顔があった。

「リリー。私は今から君を抱く。初夜のやり直しだ」

 ちょっと待って、とグロリアの心臓は激しく跳ねた。白い結婚のはずではなかったのか、と。

「あの、旦那様」
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