風と共に去らなかった夫になぜか溺愛されています
「すまないが、急いで式を挙げさせてもらう。すぐさま、私も戦地へ赴かなければならなくなったからな」
「え」
「そう、驚くな」
ぽんぽんと頭を撫でられてしまった。
だがグロリアはここで思い出す。このブレア伯が戦地へ赴いたとき、シチノル側へ寝返るのだ。そして寝返ったブレア伯本人は、ハチリアの騎士によってその命を散らされる。
あれ? 早速未亡人になっちゃうわけ? とグロリアは思ったが、とにかく今は式を挙げるのが先決らしい。あれよあれよと花嫁衣裳を着せられ、いつの間にかブレア伯と並んで誓い合っていた。
彼の誓いのキスは唇ではなく頬だった。仮初の結婚かもしれない、とグロリアは思った。
だからもちろん、初夜などはなかった。白い結婚だ。
「え」
「そう、驚くな」
ぽんぽんと頭を撫でられてしまった。
だがグロリアはここで思い出す。このブレア伯が戦地へ赴いたとき、シチノル側へ寝返るのだ。そして寝返ったブレア伯本人は、ハチリアの騎士によってその命を散らされる。
あれ? 早速未亡人になっちゃうわけ? とグロリアは思ったが、とにかく今は式を挙げるのが先決らしい。あれよあれよと花嫁衣裳を着せられ、いつの間にかブレア伯と並んで誓い合っていた。
彼の誓いのキスは唇ではなく頬だった。仮初の結婚かもしれない、とグロリアは思った。
だからもちろん、初夜などはなかった。白い結婚だ。