風と共に去らなかった夫になぜか溺愛されています
それから三日後、ブレア伯は本当に戦地へ赴くことになってしまった。
「あの、旦那様」
屋敷中の人から見送られるブレア伯の元へと駆け寄るグロリア。
「急いで作ったので、その、見目は悪いのですが」
言い、彼に渡したのは刺繍が施された白いハンカチ。
「どうか、ご無事で」
グロリアから手渡されたハンカチを嬉しそうに胸ポケットに仕舞い込んだブレア伯は、意気揚々と戦地へと向かった。
それを見送ったグロリアは「ああ、こうしてはいられない」と、急いで行動に出る。
女主人として、未亡人として、この領地をまとめていかなければならないのだから。
グロリアは屋敷の者たちの手を借りながら、この領地のことの勉強を始めた。そんな健気な姿に、屋敷の者たちもはじめ、領民からの協力も得られるようになっていった。
幸いなことに戦火がこのブレア領にまで迫るようなことはなかった。もしかしたら、戦地にいるブレア伯がハチリアとシチノルの間を取り持ってくれたのかもしれない。
その鉱山を巡っての争いが終止符を打ったのは、グロリアが嫁いでから二年後のことだった。
「あの、旦那様」
屋敷中の人から見送られるブレア伯の元へと駆け寄るグロリア。
「急いで作ったので、その、見目は悪いのですが」
言い、彼に渡したのは刺繍が施された白いハンカチ。
「どうか、ご無事で」
グロリアから手渡されたハンカチを嬉しそうに胸ポケットに仕舞い込んだブレア伯は、意気揚々と戦地へと向かった。
それを見送ったグロリアは「ああ、こうしてはいられない」と、急いで行動に出る。
女主人として、未亡人として、この領地をまとめていかなければならないのだから。
グロリアは屋敷の者たちの手を借りながら、この領地のことの勉強を始めた。そんな健気な姿に、屋敷の者たちもはじめ、領民からの協力も得られるようになっていった。
幸いなことに戦火がこのブレア領にまで迫るようなことはなかった。もしかしたら、戦地にいるブレア伯がハチリアとシチノルの間を取り持ってくれたのかもしれない。
その鉱山を巡っての争いが終止符を打ったのは、グロリアが嫁いでから二年後のことだった。