イケメン検事の一途な愛


一瞬驚いた表情を覗かせたけど、そのすぐ後に一変した。

「へぇ、経験豊富なんだ」
「そういうわけじゃ」
「じゃあ、俺をその気にさせてみろよ」
「え?」
「今、ここで」
「ッ!」

後ろ首を掴まれ、彼の顔の前に引き寄せられた。
まるで『キスしてみろ』と言わんばかりに。

嫉妬したら、普通は理性を手放して暴走するもんじゃないの?
ドラマや映画じゃ、イケメン俳優が壁ドンしたり床ドンしたりして押し倒したりするじゃない。
さもなくば、感情を抑えきれずに腕を掴んで二人だけの場所に……とか。

何をどうしたら、こういうシチュエーションになるの?

「えっと……さっきのは」
「いい加減、名前呼べよ」
「え?」
「俺のこと、名前で呼ばないじゃん」
「っ………」

昔は子供だったから『柾くん』とか『まーくん』って呼んでたけど。
一昨日まで『久我さん』と呼んでた人にいきなりねぇ……。

それに、何?
急に俺様的な豹変するキャラだったっけ?
まぁ、時々強引な時もあるけど。

いつもはクールでセクシーな雰囲気を醸し出してて。
二人きりになるととてつもなく優しいし。
仕事モードになるとカッコ良すぎて……。

そこにこの俺様キャラがプラスされたら、手に負えないじゃない。

「何いやらしいこと考えてるんだ?」
「へ?……そんなこと考えてないって!」
「そんなことって、どんなこと?」

あ~ダメだ。
今何言っても勝てる気しない。

サービスエリアの駐車場でするような事じゃない。
近くを通る人たちが好奇な目で見てるじゃない。

「見られてる」
「知ってる」
「バレるよ」
「俺だけ見てたらバレないだろ」
「なっ……」

< 103 / 142 >

この作品をシェア

pagetop