イケメン検事の一途な愛

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「『検事』として尋ねる。俺の知らない15年の間に、辱め的なことや慰み者にされたことはあるか?」

突然事件とは関係ないことを聞かれ、何のことかと考えを巡らせてみる。
あ、そうか。
拉致されて監禁されて、挙句の果てに強姦されたのでは?と心配してるってことか。

フフフッ。
何だか、嬉しくて嬉しくて。

犯人の特徴や凶器の形を聞かれるのかと答える準備をしていたのに。
あとは、どんなスラム街にいたのか?とか。
現地で友人がいたのか?とか。
記憶はまだまだ中途半端にしか思い出せてないけど、それでも出来る範囲で答えれるように脳内を整理しておいたのに。

当時、平均的な身長よりだいぶ小さかったお陰で思春期であったけど色気は皆無だったし。
何より、喧嘩は強い方だったから。
発展途上国で長年暮らしていたこともあり、足腰は丈夫だし、木に登ったり泳いだりすることも得意だった。
だから、野生児みたいに現地の男の子に混ざって誤魔化せたんだと思う。

栄養も足りなくて、女性らしく成長出来なかったし。
だから、日本に来てから遅咲きの成長をした。

確かに、売られていく女の子も多かったけど。
危険を察知してその度に逃げたおかげで、彼の言う『慰み者』にはならずに済んだ。

もし、そんなことを経験してたら、目の前の彼はどういう表情をしただろう。
落胆?
同情??
それとも、軽蔑?

色んな事が思い浮かんで、思わず彼を試したくなった。

「仕事でベッドシーンは数えきれないくらいしてるけど?」

揶揄うというより、嫉妬させたくて。
彼がどんな表情をするのか、この目で確かめたくて。

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