イケメン検事の一途な愛
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「学生時代にお付き合いした人とかって、いらっしゃるんですか?」
「え?………あ、はい」
「どんな方で?」
ダメだ。
完全に空気が読めるタイプじゃない。
『このあと、人と会う約束をしてるので』と最初に断り入れたのに関わらず、質問することに酔ってるというか。
検事という肩書で見合いを決めたであろうこの目の前の人物は、手あたり次第に質問してくる。
好かれようとアピールしてるのは分かるが。
いい加減、頼んだ珈琲に口をつけるくらいしてもいいだろう?
18時30分から始まった、地獄のような拷問の見合い。
プライベートは無口だと皆に言われる俺。
そんな俺に親があてがった見合い相手は、『話し上手』だと。
違うだろ。
『アピール上手』と勘違いしそうな勢いで、俺は1時間だけ我慢しようと決めた。
時折腕時計と店内の掛け時計で時間を確認。
まだ19時15分。
こういう時に限って、時間が経つのが本当に遅く感じる。
適当に相槌を打ちつつ、心を無に。
質問の内容を考えるだけで苛立って仕方ない。
仕事柄、ポーカーフェイスは得意なため、百面相のように会話に表情を合わせながら。
45分が経過し、さすがに背中が疲れて、足を組み直そうとした、その時。
「遅くなってゴメン」
「ッ?!」
真横に現れたのは、ド派手な蛍光ピンクのアウターに真っ白なハーフパンツを合わせたいで立ちの女性。
少しくすんだピンクカラーの髪にお洒落なサングラスが良く似合う。
「どなた……ですか?」
唖然とした表情で現れた女性に尋ねる見合い相手。