イケメン検事の一途な愛

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「カラーはこのグリーンアッシュが一番マッチしてるね」
「そうね、ブルーよりグリーンの方が魅惑的で合ってるかも」

久我検事の自宅で夕食を摂った翌日。
再び都内のヘアサロンの一室で打ち合わせ中。

昨日ピンクに染めた髪が見事にくすんだグリーンカラーに変身している。

Zoomを使って監督との会議で決定したスナイパー役のヘアスタイルは、クールボブのミディアムらしい。
色目はグリーンアッシュ。
撮影開始まで極秘になるため、暫くはウィッグで過ごし、来週あたりに別の色に一旦替えておくという念の入れ様。

何度も染め直している為、傷まないように入念にトリートメントが施される。
今日は夕方から雑誌の取材が1件入ってるだけだから、昨日ほど忙しくはない。

「終わったら起こして下さい」

朝方までセリフ覚えのために台本と睨めっこしてたお陰で、瞼が重い。
心地よいBGMに誘われて睡魔に負けてしまった。

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「ゆっくりでいいから落ち着いてね」
「……はい」

クレーン射撃がだいぶ上達したこともあり、カメラを通しても構えは合格に達したらしい。
次のミッションが『ライフル』の使い方。

クレーン射撃と違い、よりリアル感が増す。

ゲームで使用するのとは違うため、オート機能のついてないボルトアクションライフルを手渡された。
教官に手取り足取り教わり、一連の流れを把握するだけでも四苦八苦。

実弾でなくても怖さが滲む。
何度も同じことを丁寧に説明してくれるのだが、半分くらいしか入ってこない。

この恐怖と不安に打ち勝たないと、撮影どころじゃなくなってしまう。

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