イケメン検事の一途な愛


ショッピングモールでのやり取りがSNSにアップされ一時期話題になったが、サングラスをして髪色も違うし長さも全然違うこともあって、直ぐに話題は消えた。

それよりも、大手化粧品ブランドの新商品が話題となり、若い女性の必須アイテムだと注目された。
雑誌やテレビなどでも連日取り上げられ、街の至る所で自分の広告を目にする。

彼とは何の接点もないため、あっという間に2カ月が経過していた。

*****

「次はもう少しコクを感じた時の表情を目一杯で」
「……はい」
「10分の休憩入れまーす」

生ビールのCM撮影現場で、既に中ジョッキ5杯分くらい飲んだ状態。
お酒は決して弱い方じゃないけれど、深夜まで続いた撮影の疲労感が抜けず、更に食欲もないから殆どまともな食事も摂ってない今、限界値を超えようとしている。

耐えないと。
これ以上は飲めないとは言えない。
常にベストな状態で仕事に向かわないとならないのに…。
気合で必死に耐えていた。

「山ちゃん、悪いんだけど、常温のスポーツドリンクを大量に買って来て。大至急で」
「分かりました!すぐ買って来ます」

酔い醒ましには水分補給が最適。
血中のアルコール濃度を下げる効果がある。
それプラス、アルコールを分解するのに必要な糖度もあれば尚早まる。
冷えたものより、血液の温度に近いものの方が吸収が早いため、今自分に必要なのは常温のスポーツドリンクだ。

山ちゃんが到着するまでの間、出来るだけ体を動かしておかないと。
少しでも酔いを醒まして正気を保ってないと、今にも潰れてしまいそうだ。

< 43 / 142 >

この作品をシェア

pagetop