イケメン検事の一途な愛
「みーな、平気?……歩ける?」
肩に大判のバスタオルが掛けられたが、その感覚すら薄っすらとしたもので。
山ちゃんの声すら微かに聞こえる程度。
体中の細胞が、働くことを拒否してるようだ。
山ちゃんに支えられながら、椅子に腰かける。
パラソルの陰にいるのにも関わらず、まだ炎天下に立ち尽くしているような感覚に襲われた。
肩に掛けられたバスタオルを頭から被ろうと手を持ち上げた、その時。
「みーなっ!!」
「キャァーッ!大変っ……」
椅子に腰かけた状態で、椅子ごと横に倒れ、そのまま意識を手放した。
*****
「先生、湊は大丈夫でしょうか?」
「過労と軽い急性アルコール中毒で意識障害を起こしたようです。休息をとれば時期に回復しますが、転倒した際の頭部強打がありますので、CTやレントゲンの結果が出るまでお待ち下さい」
撮影現場で転倒し、頭を強打した。
すぐさま救急車で病院へと。
事務所社長の菅野は、看板女優の事故とあってすぐさま病院に駆けつけた。
既に検査は終わっていて、特別個室に移された湊は、点滴を受けながら熟睡している。
「外傷は無いと救急隊員の方も仰ってましたし、きっと大丈夫ですよ、社長」
「……ん、だといいが」
ベッドサイドで心配そうに湊の手を握る菅野。
幾度となくスキャンダルが浮上しても湊への信頼は厚い。
それは、湊の素顔を唯一知っている人物だからだ。
「ここを頼む。外の対応をして来るから」
「はい」
病院の正面玄関前に大勢の記者とカメラマンが詰め寄せていた。