イケメン検事の一途な愛
怪我だと?
酷いのだろうか?
別に親しい間柄でもないし、友人でもない。
連絡を取り合う仲でもないし、最後に会ったのは2カ月前。
毎日のように広告を目にしていたが、特に会いたいという感情はなかった。
なのに……。
何でだろう?
何がそうさせるのかは分からないが、無意識に彼女の心配をしていた。
顔見知りだからだろうか?
それとも、秘密の共有をした仲だからなのか。
気づいた時には、タブレット端末でニュースを検索していた。
*****
19時過ぎ。
仕事を終え、帰宅しようと上着を羽織った、その時。
携帯電話にメールを受信した。
「薬が切れる頃だろうから、医局に取りに来なさい」
父親からのメール。
持病の喘息薬の心配をして、メールをして来たようだ。
昔ほどではないが、今でも時々発作が起こる。
膨大な古い資料を見る時や現場検証で訪れた場所が埃臭かったりした時に。
アレルギーが原因で咳き込み、時には呼吸が苦しくなる。
だから、常に薬を常備しておかないとならなくて。
仕方なく、父親が勤務する病院に寄ることにした。
*****
何事?
病院に到着すると、正面玄関前に凄い人だかり。
もしかして、彼女がこの病院に?
不意に脳裏に浮かぶあのニュースが。
駐車場にテレビ局の中継車が何台も停まっているところを見ると、彼女がこの病院にいるのだろう。
報道陣を横目に院内に入る。
父親がいる医局へと向かうため、エレベーターへ乗り込む。
脳神経外科の医局がある3階で降りた、その時。
「あっ、……久我さん?」