イケメン検事の一途な愛


エレベーターのドアが開くと、そこに来栖 湊のマネージャーの女性が立っていた。

「こんばんは」
「あ、こんばんは」
「ニュース観たんですけど、もしかしてこの病院に?」
「………はい」
「彼女は、………大丈夫なんですか?」
「はい」

良かった。
救急搬送されたとニュースにあったから、大怪我でもしたのかと思った。
話を聞くと、過労と急性のアルコール中毒だという。
CMの撮影で大量にビールを飲んだのが原因だという。

「久我さんはどうしてここに?」

外来の診察室がある階ではないから、不思議に思うのも無理はない。

「父親がここに勤務していて、それで」
「え、そうなんですか?!」
「……はい」

彼女に家族が医者だと話してあるが、マネージャーには話してないようだ。
別に秘密にして欲しいと頼んだ覚えはないし、マネージャーに話した所で特に問題はないんだが…。
彼女は安易にぺらぺらと他者に漏らさない人のようだ。

「彼女に会えますか?」
「え?」
「あ、……ご迷惑なら無理にとは」
「う~ん、大丈夫ですが、まだ寝てるんですけど……」
「そうなんですね。……じゃあ、一目見たら帰ります」
「……はい」

医局に行く前に少しだけ顔を見ようと、マネージャーの後を追って病室へと。
予想通り、特別個室に彼女はいた。

ベッドに括られてるタグを見ると、主治医は父親らしい。
見慣れた名前がそこに記されていた。

「まだ顔色が青白いですね」
「はい。かなり無理してたので」
「担当医が父親なので、何かあれば遠慮なく仰って下さい。よく話しておきますので」
「有難うございます!」

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